「もっと効率よく家でセルフトリミングだできればいいのに…」
犬猫を家でシャンプーやカットをする、いわゆるセルフトリミングをされている方も多いと思いますが、実際セルフトリミングをしてみると、想像以上に大変な作業だと実感された方も多いのではないでしょうか?
プロはシャンプーなら爪切りや足回りなど全て含めて1時間、シャンプーカットなら2時間で終わらせます。
慣れの部分も大きいですが、それ以上に道具にこだわりいて、いかにキレイに素早く仕上げるかに命をかけています。
そんな、プロが選びに選びぬいた道具をご紹介したいと思います。
プロ仕様なので値段は高いものや、意外と安い道具を使っていたりします。
購入できるものだけでもいいので導入をしてみると、セルフトリミングの時間短縮に繋がると思うので、参考になれば幸いです。
素早く爪を切るならギロチンタイプの爪切り
爪切りはシンプルにギロチンタイプのものをオススメします。
最初は怖いかもしれませんが、慣れれば一番やりやすく切れ味もいいです。
黒い爪の場合は血管がどの辺にあるのか分かりにくいので怖いかもしれませんが、血を少し出したとしても、数十秒間ギュッと押さえておけば自然と止まっていきます。
あまりに深爪をしてしまって、沢山血が出てしまっている場合は、止血剤があれば止血剤をつかって止めましょう。
なければ小麦粉でも代わりになるようなので、小麦粉を使ってみましょう。正直、手で抑えておけば自然と止まります。
いざという時の保険の止血剤
爪切りで短く切り過ぎたら血が出てしまった時に使うのが止血剤です。止血剤はこのクイックストップしか知らないくらい、トリマーではほとんどこの商品を使っているのではないでしょうか。
フタは使ったらスグに必ず閉めるようにしないと、湿気を吸い込んでしまってドロドロになってしまうので注意が必要です。
血が出ても慌てず、この粉を血の出た箇所に数秒押し付けるだけで止血されます。
嫌がる犬もいるので、なるべく血を出さないようにするのが一番ですが、血を出した時の保険として持っておくことをオススメします。
地味だけどあると便利な爪やすり
少し長い日理サファイヤタイプの爪やすりが一番使いやすいですし、かなり長い期間使えます。
個人で使用するなら1本で何年も使えると思うのでオススメです。
大型犬は抱っこなどしないので、ヤスリの必要はないかもしれませんが、小型犬で爪が小さい犬の場合、ヤスリを少し掛けるだけでぜんぜん違います。
日理の爪やすりは、ヤスリ部分も長くしっかり削ってくれるので重宝します。
注意点としては、取手の部分が折れやすいので、あまり力を入れすぎずに優しくヤスってあげるようにしましょう。
プロトリマー推奨のスリッカーブラシ
セルフトリミングの場合、毛玉や毛もつれが大量にできている可能性は少ないと思うので、ソフトスリッカーを選びましょう。
家で毛玉が大量にできている場合は、毛玉取りのお金が余計に掛かりますが、危ないのでトリミングサロンでプロにやってもらったほうがいいです。
こちらのフルーツ村のソフトスリッカーは、名前の通りクッションがソフトになっているので、皮膚を傷つけにくい構造になっているので、初心者でも扱いやすい道具です。
フルーツ村はドッグショーで優勝するようなプロのトリマーも使用している本格派で、価格も安いのが魅力的です。
見た目は可愛らしいのですが、このソフト感が他のスリッカーとはちがうので、とくにトイプードルのブローなどにオススメです。
もちろん、他の犬種でも使うことはできます。
カンシ
耳掃除や耳毛抜きに使う道具です。
最近は、耳毛を抜かないトリミングサロンも増えてきているようで、私も抜かなくてもいいんではないかと思っています。
特にシュナウザーの耳毛は、プードルなどと比べると量が多いので、嫌がって可哀想ですしね。。。
セルフトリミングの際は、耳掃除用として考えておいてください。
ブロー後にコットンをカンシに巻いて耳の中の水気を拭き取ってあげます。
大抵は犬がプルプル体を振ることによって水気は外に出ますが、中にはプルプルが苦手な犬もいて、外耳炎などになってしまう可能性があるので、必ず水気は拭き取ってあげましょう。
一般の飼い主さんであれば、カンシを使わなくても綿棒でシャンプー後に水を取っても大丈夫です。綿棒の方が手軽ですしね。
コスパ最強の部分バリカン
パナソニックの部分バリカンのコスパの良さが最高すぎです。
以前はプロが愛用しているウォールの部分バリカンを使用していましたが、電源が入らなかったりパワーがすぐに弱くなったりして不便な点が多かったので、パナソニックの部分バリカンをメインに足の裏の毛や肛門周りの毛を刈っています。
パナソニックだと乾電池式で電池が弱くなっても、電池を交換すればまたパワーが戻るのでオススメです。
また、本体も替刃も安いのでこの点も非常に優秀なので、犬を買っている方なら1台持っておいても損はないと思います。
トリマーがハサミの次に大事にしている全身バリカン(クリッパー)
全身バリカンはハサミの次にトリマーが厳選している道具だと思います。
以前はウォールのKM10をしようしていましたが、断線することが多かったので、コードレスのバリカン「andis SUPRA ZR」に切り替えました。
刈り具合はウォールのようにパワーがあり、コードレスで線がないため小回りがききやすくてオススメです。
スピーディックも長年使っていましたが、切れ味はウォールやアンディスの方が上です。
アンディスはトリミングサロンでも見る機会が多いバリカンの一つで、プロご用達のバリカンです。
ただ、家でするようなセルフトリミングの場合は、ここまで高機能でなくてもいいという方には、先程紹介したPanasonicのバリカンの全身タイプのもので十分だと思います。
使ってはいませんが、価格は手頃ですしコードレスなので、部分カット用のバリカンの性能から言っても問題ないでしょう。
Amazonのレビューでも高評価のバリカンです。
万人受けするシャンプー
当店では2種類のシャンプーを使用していて、下地洗い用のシャンプーと仕上げ用にAPDCのティーツリーシャンプーを使用しています。
下地洗い用のシャンプーはプロ専用でトリミングサロンや動物病院でしか購入が出来ないため、セルフトリミングの場合はAPDCティーツリーシャンプーを使用した泡シャンプーをオススメします。
泡シャンプーは効率よく汚れもシャンプーも節約できるのでメリットが多いシャンプー方法です。
汚れをしっかりと落とすことで、ブロー(ドライヤーで乾かす)時間も短縮されます。
また、APDCのメリットとしては、ハーブのいい香りが長い間持続するので、虫よけ効果もあります。
APDCを導入しているトリミングサロンも非常に多く、アマゾンでも人気シャンプーランキング上位の万人受けをするシャンプーでオススメです。
皮膚がデリケートな子の場合、APDCは高級アルコール系と呼ばれる、汚れをしっかりと落とすタイプのシャンプーなので、低刺激でマイルドなアミノ酸系シャンプーを使用することがオススメです。
低刺激なアミノ酸系シャンプー
風量も価格も完全プロ仕様のドライヤー「ホースドライヤー」
ブローを圧倒的な速度で終わらせることができるのが、この「ホースドライヤー」です。
あまり聞き慣れない道具かもいしれませんが、トリミングサロンで導入している店舗もかなり増えているので、目にしたことがある方もいるかもしれません。
普通のドライヤーとは違い、強力な風で水気を吹き飛ばす道具で、ブロー(ドライヤーで乾かす)時間短縮になります。
完全プロ仕様の道具なので、価格も高いですし、音もうるさいのでどのご家庭でも気軽に導入できる商品ではありませんが、導入できる環境の方はブロー時間が圧倒的に短縮されるのでオススメです。
とくに柴犬やコーギーなどの乾きにくい犬種や大型犬の場合、ブローに1時間以上の時間が掛かると思いますが、ホースドライヤーを使えば20分〜30分ほどでしっかり乾かすこと可能。
もちろん、プードルやシーズーなどどんな犬種でも素早く乾かすことができます。
オススメはドラゴンペッカリー
ドラゴンペッカリーは当店でも導入をしていますが、他のメーカーのホースドライヤーよりも風量が強いのでオススメです。
以下はメーカーさんが公開している動画で、実際のドラゴンペッカリーの使用方法が解説をされています。
この動画では音は消されてしまっているので分からないのですが、かなりうるさいです。凄まじい音なので、マンションだと近所迷惑になる可能性高いです。
ホースドライヤーがオススメな方
- 多頭飼い
- 大型犬を家で乾かしている方
- 柴犬、コーギーなどの乾きにくい犬種
- ブローの時間短縮をしたい方
初期投資が多少高く感じるかもしれませんが、セルフトリミングで1年〜2年使えばお店に出すより浮くお金の方が大きくなりますし、時間短縮になるのでセルフトリミングを本気で行いたい方にはもってこいの道具です。
家庭用のコンセントでも使用可能ですが、エアコンや電子レンジなどを併用するとブレーカーが落ちることもあるので、契約しているアンペア数を確認しましょう。
風量が最強クラスのハンドドライヤー
ホースドライヤーはさすがに導入できないという方が大半だと思いますが、ハンドドライヤーであれば手軽に導入できるので、ぜひこれは導入をしてみてください。
ハンドドライヤーとは手に持って使用するタイプの通常のドライヤーのことですが、今回紹介するのはプロ使用のハンドドライヤーです。
ドライヤーは熱で乾かすよりも、強い風の方が効率的に乾く。
熱い風よりも温かい風のほうが皮膚や毛を傷めにくく、効率的に毛を乾かすことが出来るので、熱風よりも温風で強風のものを選びましょう。
一般的に市販されている人間用のドライヤーのほとんどは、熱で乾かすタイプのものが多く、風が弱く熱風なので犬猫の毛を乾かすドライヤーとしては不向きなことが多いです。
オススメは美容室でも多く採用されているノビーの1500Wドライヤー
ノビーのハンドドライヤーでも美容室などでも採用されている、強力な風で乾かすドライヤーです。
毛が多い犬猫のブローで使うことで、熱で乾かすタイプのドライヤーよりも素早く乾かすことが出来ます。
プロが使用している道具ですが、価格も手頃で壊れにくいドライヤーです。
ドライヤーを使う際は必ず、ドライヤーの温風を当てながらスリッカーブラシで1本日本の毛を伸ばす感覚で乾かすとしっかり全て乾かすことができます。
もちろん、普段は人の髪を乾かす時にも使えるので、人も髪を乾かすのも時間短縮に繋がるのでコスパは高い商品です。
ノビーのハンドドライヤーは色々な種類がありますが、その中でもオススメは以下にもリンクが貼ってある、ノビー NB3100です。
このNB3100は1500Wなのでかなり強力な風量のドライヤーです。
以前はノビーの1200Wのドライヤーを使用していましたが、全く別物の風量なので、ブローで時間短縮をしたい方にはこのNB3100が圧倒的にオススメです。
以下のノビーは家庭用のコンセントでも使用可能ですが、1500Wなので1つのコンセントではドライヤーしか使うことができません。
また、家電帯の契約しているアンペア数によっては、エアコンなどを使用しているとブレーカーが落ちてしまうことがあるので、もし電気量が足りない場合は大きな電気が使える契約に変更をする必要があります。
夏場など、暑いのでエアコンを付けながらブローをすると思うので、電源の管理は頭に入れておくのがオススメです。
カットの効率がかわる仕上げハサミ
仕上げハサミは好みがあるので、実際に触ってみて感触を確かめるのが一番効率がいいのですが、一般の方でプロ用のハサミを触る気かはあまりないのが、ハサミ選びを難しかったりします。
刃が薄いほうが好みの場合や、刃が薄いものが好みだったり、ハサミの好みは本当にひとそれぞれで、どれが正解とか不正解ということはありません。
一番は自分の手にしっくりくるハサミを選べるかが大事になってきます。
また、最初はしっくり来なくても、時間が経つにつれて手に馴染んでくることもあるので、本当にハサミ選びは奥が深いものです。
プロに人気の高品質な「胡蝶」か手軽な「AKIZ(あきつ)」がオススメ
プロ向けのハサミとしてオススメのハサミを挙げるなら、トリマーでも使用者が多い「胡蝶」だと思います。
胡蝶はトリマーからの人気が高いハサミで、価格も2万〜4万ほどのなので比較的手に取りやすい価格帯なのも魅力的です。
胡蝶であれば10年くらい使っているトリマーさんも知っているくらいに、1本買えば長い間使うことができるハサミです。
ただ、価格としてはそれなりにするので、最近では韓国のハサミ「AKIZ(あきつ)」がトリマーの中でも流行っていたりします。
流行っている理由としては、価格のわりにしっかりと切ることができるという理由です。
スタッフも使っていますが、しっかりと毛を逃さずに切れるので、自分の切りたいところを切ることができます。
仕上げバサミ・セニング(スキバサミ)・カーブシザーの3点セットで安く購入することができるのでオススメです。
トリマーさん向けのサイトでも、アキツシザーのレビューが取り上げられているほど、人気の高いシザーなので、一般の飼い主さんであればアキツシザーはオススメです。

一番お金をかけたほうがいいハサミが「スキバサミ」
セルフトリミングをする方なら、仕上げよりもスキバサミにお金を掛けたほうが幸せになれます。
アキツのスキバサミはあまり評判が高くないので、本格的にセルフトリミングをしたい方はスキバサミは別で購入したほうがオススメです。
スキバサミは構造的に特殊なので、安いスキバサミは性能が悪いことが多いため止めたほうが良いと思います。
専門学校のハサミも仕上げバサミよりもスキバサミの方が2〜3倍高いものを使用してるくらい、スキバサミは重要です。
ある程度キレイに短く仕上げたい場合は、スキバサミをメインとして切っていくと、大きな失敗もしにくいです。
スキバサミでカットの雰囲気をつかめば、仕上げバサミで短くしたい量の毛を落として、細かい微調整はスキバサミで切っていけば、プロのキレイなカットに近づけるはずです。
当店では、プロ専用のものなので一般の方の販売がされていないのですが、スキバサミも胡蝶が値段も安く、切れ味もいいスキバサミなのでセルフトリミングでは最適なハサミです。
ヒゲカットするならボブバサミ
ボブバサミはヒゲカットや足回りなど細かな部分を切る時に使いやすいハサミで、長さが短く刃をコントロールしやすいハサミです。
ヒゲを家で切りたい方には必須のハサミ です。
カットには必須のコーム
コームも大事ですが、それ以上に使い方が大事です。
カットをキレイに仕上げるようにするには、ハサミの使い方だけではなく、シャンプー、ブロー、コームの使い方、全てをキレイに仕上げる必要があります。
ハサミのカットだけ上手くても、きれいに仕上げることはできないので、全てを意識することが大事です。
作業効率をよくするなら必須のトリミングテーブル
セルフトリミングとは言え、トリミングテーブルも必需品で、これがあるのとないのでは作業効率が全く違います。
犬は高い台の上にのることで、身動きが取れずおとなしくなり、作業がしやすくなります。
トリミングサロンでトリミングテーブルが高い理由は、人間の作業のしやすさと、犬が大人しくなるなる効果があるからです。
オススメは圧式のトリミングテーブルで、適切な高さに調整をすることができます。
テーブルの位置が高すぎたり、低すぎたりすると腰を炒めてしまうので、トリミングテーブルを適切な高さに調整することは体を大事にするためのも大切です。
腰を痛めていたり、これからがっつりとセルフトリミングをしようとしている方であれば、油圧式のトリミングテーブルはおすすめです。
ただ、油圧式は値段が高いのと、畳んでしまうことが出来ないので、シンプルで必要最低限のものはこちらです。
現実的に家でのセルフトリミングであれば、折りたたみ式のトリミングテーブルのほうが利便性は高いと思います。
小型犬から中型犬くらいなら少し小さいくらいのトリミングテーブルがオススメです。
少しゆとりのある大きさにしてしまうと、犬が動き回ってしまうことがあるため、少し小さいくらいが丁度いいです。
ハサミも犬も守るためのシザーケース
本格的にセルフトリミングを始めたい方は、シザーケースがある方が効率が高いです。
ハサミはテーブルに置いておくと、犬がケガをしたり落下をして欠けてしまうこともあるので、シザーケースを使うようにしましょう。
今はデザインも幅広いものがあるので、自分の好みに合ったものを選ぶと、トリミングをするときにテンションが上がると思います。
シザーケースは耐久性が高い牛革のものがオススメです。美容師やトリマーなどシザーケースは職種によっての違いはそれほどないので、自分にデザイン的に好みなものを選んでもいいと思います。
まとめ
さすがに全てをプロ用にしたらお店が開けるレベルになってしまいますが、導入しやすい道具もあったかと思います。
導入しやすい道具もご紹介しているので、道具を一つ変えるだけでスピードが全然変わるのがトリミングの世界です。
道具選びの参考になる部分があれば嬉しいです。
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