犬達にとっては無駄に吠えている訳ではなく、何かしらの意味を持って吠えていることがほとんどです。
無駄吠えは飼い主さんにとっても周りの人にとっても迷惑で困った問題行動で、ご近所トラブルにもなりかねないので、出来れば吠えることが少ない犬種がいいと思う方は多いと思います。
そこで、元ペットショップ店員で現役トリマーで何千頭と犬を見てきた中で、無駄吠えが少ない犬種・多い犬種をご紹介したいと思います。
無駄吠えをしてしまう原因:
無駄吠えをする根本的な原因として、犬が吠えることを人間が強化をしたことが始まりです。
猟犬は吠えながら獲物を追いかけて、猟師に居場所を知らせ、猟師が獲物を銃で撃つ為に改良された犬種なので吠えたり、牧羊犬も吠えながら羊を上手く移動させて、コントロールをしていたので、吠えることは人間が犬に強化をさせて行動の一つです。
このことから分かるように、吠えるという行動は人間が強化をして、本能に刻み込んだもので、そもそもは問題行動ではなかったのです。
しかし、猟犬や牧羊犬としてではなく、ペットとして飼われるようになってからは、吠えるということが問題行動になっていきました。
飼いたいと思った犬種を調べてみて、猟犬だったら本能的に吠えやすいので、しっかりとしつけをする覚悟をもって飼うことをオススメします。
無駄吠えが多い犬種:
無駄吠えをしてしまう原因が分かれば、無駄吠えが多い犬種が分かってくるかと思います。
その一例を上げていきたいと思います。
牧羊犬:
- コーギー
- コリー
- ボーダーコリー
- シェットランドシープドッグ
これらの牧羊犬は吠えながら羊を追いかけ回して行動をコントロールしていたので、無駄吠えが多い犬種です。
猟犬:
- ダックスフンド
- ビーグル
- ジャックラッセルテリア
- ミニチュアシュナウザー
- ミニチュアピンシャー
これらの犬種は、猟犬としてよく吠えるように改良されたので、無駄吠えは他の犬種よりも多くなります。
ただ、同じ猟犬でも、猟師が撃ち落とした獲物を持ってくるような猟犬は、吠えることを強化されていないので、同じ猟犬でももともとあまり吠える犬種ではありません。
無駄吠えが少ない犬種:
犬種の傾向として特に少ない犬種をご紹介します。
愛玩犬として改良されていった犬種は猟犬などと比べると無駄吠えが少ない傾向にあります。
ただ、無駄吠えが少ない傾向があるだけで、個体差もあるので無駄吠えが少ない犬種でも無駄吠えをしないということではありません。
シーズー:
シーズーは元々ペットとして可愛がられる為だけに作られた犬種なので、飼い主さんの事が大好きで、吠えて要求をするなどの無駄吠えが特に少ない犬種になります。
シーズーの元となったペキニーズも無駄吠えが少なくて、吠えてもそこまで響かない吠え方をします。
シーズーは私がオススメする一番の飼いやすい犬種でもあります。
バセンジー:
この犬種を知っている方はあまり居ないと思いますが、この犬種は吠えないことで有名な犬種です。
飼い主さんでも吠えてるところをあまり見たことがないと言われるくらい、とにかく吠えたりしないので、絶対にうるさく出来ないような環境の方には真っ先にオススメする犬種です。
ただ、ペットショップでは中々出会うことは無いと思うので、飼いたい方は直接ブリーダーと連絡をとる必要が出てきます。
フレンチブルドッグ:
フレンチブルドッグもあまり吠えないことで有名な犬種です。
ただ、吠えると体格が大きいので部屋に響くような大きさなので注意が必要です。
性格は活発で人懐っこいので、初めて犬を飼う方にもオススメできる犬種です。
ただ、体重が10kg以上になることもあり、パワーも強いので高齢者の方にはオススメ出来ない犬種です。
柴犬:
柴犬は警戒心こそ強いですが、やたらに吠えることは少なく、飼い主さんに従順な性格で吠えて要求することはあまりしません。
柴犬が人気な犬種なのもこのような所も人気の一つです。
ただ、飼い主さん以外には敵意を持つことが多く、吠えて相手を威嚇することがあります。
無駄吠えの原因は飼い主さんにもある:
無駄吠えの原因は人間が改良した結果と最初にお伝えしましたが、実はそれ以外にも飼い主さん自身が無駄吠えの原因を作っている場合があります。
ワンワン吠えてうるさいからご飯やオヤツを与えた:
犬にとって吠える事でご飯をくれるものだと勘違いをして、余計に吠えることが多くなってしまい、吠えるしつけをしている飼い主さんは多いです。
犬が吠えても何も与えず、大人しくなってからおやつやご飯を与えるようしましょう。
かまって欲しいくて吠えている時:
散歩に行きたかったり、かまってほしくて吠えている時に、散歩に連れて行ったり、書かまったりしてしまうと、犬は「吠えれば自分の要求を聞いてくれる」と勘違いして、さらに吠えることが強化されてしまいます。
吠えて要求してきた時は無視をして、落ち着いてから要求を満たしてあげましょう。
寂しくて吠える時:
犬を極端に可愛がりすぎると、犬が飼い主さんに依存をしてしまい、お留守番など寂しくなったら吠えてしまうことがあります。
極端に可愛がりすぎるのではなく、適度な関係で接してあげるほうが、犬にとっても飼い主さんにとっても大事なことです。
威嚇をして吠えている:
来客があったり、散歩中に人や犬に吠える時には、犬を落ち着かせることが大切です。
こちらの記事は引っ張りグセについて書いたものですが、散歩中や来客時の無駄吠えについても効果があるので、散歩中の無駄吠えについてお困りの方は参考にしてみて下さい。
関連記事>>>引っ張りグセのある犬に胴輪は絶対ダメ!引っ張りグセや散歩中に止めて欲しいクセがある犬にオススメなしつけ方法を伝授します。
老犬で吠える場合:
今まで吠えなかったのに、10歳を超えてから吠えだしたりする場合、認知症のことがあります。
また、足腰が弱くなって自分で動くことが難しくなると、トイレや床ずれなどを飼い主さんに訴えていることもあるので、愛犬の様子を見てあげて、何を要求しているのかを察して上げることが大切です。
吠えることを悪いことだとしつけをすることが大切:
無駄吠えはしつけをすることで大半は治したり、落ち着かせたりすることができます。
しつけが上手くいかないのは、その子にあったしつけ方法でなかったり、飼い主さんの知識がないことが原因であることが多いです。
途中で諦めてしまうと、人間も犬もストレスになってしまうので、諦めないことが大切です。
まとめ:
無駄吠えが少ない犬種でも飼い主さんが吠えさせるように無意識にしてしまっていたら無駄吠えが多くなりますし、無駄吠えが多い犬種でも飼い主さんがしっかりとしつけをしていたら無駄吠えを全くしないようにすることだって出来ます。
結局は飼い主さんの意識が無駄吠え対策には一番大事になってきます。
諦めずに数ヶ月から数年かけてやる気持ちをもっていれば、無駄吠えを改善させることも出来るので、しつけということを難しいこととは感じないでチャレンジしてみて下さい。
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