ペットショップで本当にあった怖い話

Maltese dog

私が都内のペットショップで7年ほど前に働いていて、生体販売やトリマーとして様々なお客様と接してきました。

その中でテレビで見るようなトンデモナイ客のことを思い出したので、記録として記しておきます。

この犬をちょうだい:

平日の夕方頃にブラリと来店した50代後半位の男性でした。

小綺麗なポロシャツを着て、お金にはとても困ってなさそうな出で立ちでした。

その男性は、ショーケース越しのマルチーズを3分程見て、スタッフを呼び出し言いました、「この犬ちょうだい」と。当然、スタッフは連れて来て抱っこしてみますか?と訪ねましたが、何故か拒否をされました。

意外な反応に対応したスタッフも驚き、一応強引に連れてきたものの何故か頑なに拒否をされました。

この時点で、何かがおかしいと感じていましたが、まさか想像を絶することになるとは、この時は知るすべもありませんでした。

面倒だから早くして:

男性は抱っこもせずに連れて帰ると言い張るので、スタッフも強引に抱っこさせる訳にもいかず、結局契約書を飼いて連れてもらってかえることにしました。

しかし、男性は、「こんなの面倒くさい、犬を飼ってるからこんなこと位知ってる」と半ギレ状態で声を荒げて、早く契約を終わらすように言いました。

その時点で判明をした、もう一匹の犬ですが、多頭飼いの場合は、先住犬などとの相性や接し方など、説明しなければいけないことがあり、どんな犬種か確認をしたところ、飼おうとしている同じの犬種のマルチーズでした。

スタッフは犬のワンちゃんの事を聞くと男性は言いました。

大丈夫、保健所連れて行くから:

衝撃的な一言を言い放ち、スタッフを戦慄させました。

犬が好きでスタッフになっているわけなので、絶対にあり得ない発言を男性は言い放ったのです。

冷静になり、スタッフが理由を聞くと、男性は「バカ犬で全然言うこと聞かないから」というトンデモナイ理由で保健所に連れて行くと言い放つのです。

最近は、保健所も無責任な飼い主には受け入れを拒否する場合もあるのを知っていたみたいで、ダメなら山に捨てると動物愛護法にも引っかかるような発言をされました。

30分程しつけの方法や犬との接し方について話しをしましたが、一向に聞く耳を持たない姿勢でした。

この人に何を話しても無駄とその時に感じました。

この人に人には犬は絶対に売らない:

スタッフが手に負えない状況になったので、店長がその後対応に当たりました。

そこで全スタッフと確認したことは、この人には犬は絶対に売らないということでした。

ただ、あなたに売ることは出来ない、と正面から言い放つことはできないので、連れて帰ろうとしているマルチーズのウンチの状態が悪いから、完全に治るまではお渡しできない、最低でも2〜3週間位はかかると伝えました。

すると男性は「そんなのは知らない。うんちが緩いなんて関係ないから連れて帰る」とどうしても連れて帰りたい態度を崩しませんでした。

こちらも引き下がらず:

こちらの意思は一度固めたことなので、会社の決まりでそうなってると伝え、直ぐに連れて帰ることは出来ないと再度伝えると、男性はそこでようやく諦めて帰って行きました。

この時に恐れていたことは、うんちの状態がよくなってからでいいから契約をされることでした。その場合、中々断ることが難しくなってしまうので、こちらも賭けではありましたが、その賭けに勝ちました。

世の中は想像していること以上のおかしな人がいる:

犬を飼う人に悪い人はいない、と良く言われる言葉ではありますが、犬を飼ってる人でも考えがおかしな人も実在していたのが衝撃的でした。

たまたま、今回は私が働いているペットショップにおかしな人が来店して、犬を捨てて新しい犬を飼うなんてことがありましたが、全国数多くあるペットショップには、こういったおかしな客は来店してることでしょう。

今回はたまたま理由を聞けたので、未然に売ることを阻止することが出来ましたが、スタッフに理由を言ってなかった場合、普通のお客様と扱ってあのマルチーズを連れて帰っていったことでしょう。

 

私が働いていた店では販売を防げましたが、もしかすると、他のペットショップでお気に入りのマルチーズを見つけ、家のマルチーズを保健所に連れて行っていたかもしれません。そこまでは私達も防げることができないのがとても悔しいです。

犬を捨てる人に何かしらの罰則を設けるべき:

世の中には、このような飼い主は数は少ないと思いますが、常に一定数いると考えてもいいと思います。

そういった人達へ、抑止力がある法律を制定して、1頭でも多く不幸な動物たちを減らすように務めるべきです。

人間のエゴで飼われたペットが、人間のエゴで捨てられるというのは不憫でなりません。

León

最後に:

私がペットショップで務めていた時に起こった完全な事実です。

事実は小説よりも奇なりと思えるような体験をしましたが、1頭でもこのような不幸なペットを少なくなることを願っています。

以上、ペットショップで本当にあった怖い話でした。

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