ペットショプで売れ残った犬猫はどうなってるのか気になりませんか?
ネットでは色々なウワサやとんでもないことが書かれているので、それを実際に信じてしまっている人が多いようです。
わたしは7年前ほど東京の大手のペットショップで勤務をしており、その時にペットショップの裏側を見てきたので暴露をしたいと思います。
- 売れ残った犬猫はトコトン安く売る:
- 犬の仕入は市場(いちば)から落札する:
- 生体販売はドル箱:
- 生体を販売するとインセンティブがある:
- 犬の値段は毛色、可愛さ、大きさで決まる:
- 出勤をして子犬が死んでいる事はあまりない:
- 欠点で値段が下がる:
- 子犬は寄生虫がいる確率が高い:
- ペットショップで勧められる保険は成約するとマージンが入る:
- まとめ:
売れ残った犬猫はトコトン安く売る:
「売れ残ってしまった犬猫はどうなるの?」
皆さんの疑問でよく上がる質問ですが、保健所に連れて行くだとか、殺してゴミ箱に捨てるなんてことがネット上に流れていたりもします。
ただ、よく考えてみればわかりますが、ペットショップで働いている人は犬や猫が大好きなので、そんなことをする人はいないです。
生後6カ月にもなると値段はトコトン値下げがされ、3万程の値段がつけばほとんど決まります。
このくらいの月齢だと、1人でお留守番出来る時間も増え、比較的飼いやすいのでメリットもあるので、忙しい方には逆に月齢が経ったほうがオススメです。
犬の仕入は市場(いちば)から落札する:
一般的なペットショップの仕入は、市場と言われる場所でオークション形式で落札をします。
バイヤーは市場で、犬の見ためや欠点、値段など総合的に見て落札をします。
市場は地方ごとに存在するようですが、名古屋の市場が一番大規模で、頭数も多いので、東京等の関東地方のペットショップの多くは名古屋へ行き、犬猫を落札をしに集まります。
市場の問題点としては、連れて帰る道中に車の揺れで体調を崩してしまう子も少なくはなく、現代の生体販売のあり方について、いまいちど考えなければいけない時期に来ているのではないでしょうか。
生体販売はドル箱:
ペットショップの主な収入源は生体販売、ドッグフードの販売、トリミングの3つですが、その中でも生体販売はドル箱です。
ペットショップの生体の原価は、ダックスフンドで安くて2万、高くて5万程でペットショップは仕入をしており、原価が高いトイプードルは4万〜10万程の原価となっているので、原価は2万ほどのダックスフンドも15万前後で販売をします。
そうすると、1頭販売したら利益は10万以上にもなるので、ドッグフードやトリミングよりも圧倒的に儲かります。
生体は早く決まれば決まるほど、飼育管理するのにコストが掛からず、逆に長いこと飼い主さんが決まらないと、余計にコストがかさんでしまうので、ペットショップは徐々に値段を下げて売れる値段にしていきます。
また、生体が売れたら、ドッグフードを買いに来たり、トリミングをしたりと、生涯に渡ってお客様なので、ペットショップはオイシイ商売と言えるかもしれません。
生体を販売するとインセンティブがある:
私が働いていたペットショップは、1頭2,000円のインセンティブ(プラスで給料として支払われる)があり、店長クラスで月に多くて50頭程販売していたので、基本給+10万は給料としてあったはずです。
ペットショップの店員が必死になって生体を売るのにはワケがあります。
インセンティブが低いペットショップはあまり積極的に接客をしておらず、インセンティブが高いペットショップほど店員が積極的になっている傾向があります。
インセンティブがあるペットショップが良いのか悪いのかは人それぞれだと思いますが、インセンティブがある方が接客の質は高いです。
犬の値段は毛色、可愛さ、大きさで決まる:
一番わかりやすいのがトイプードルの例ですが、トイプードルはレッドの色が一番人気なので原価も販売価格も高い傾向にあります。
また、鼻が短く、目がクリクリしている可愛らしい子が高く、更に小さければ小さいほど高値がつき、ティーカッププードルのレッドの女の子は130万位で売られているケースもあるようです。
親がチャンピオンだからといって値段が高くなることは正直あまりありません。
日本一の犬だったら100万〜1000万程することもありますが、地方の数頭しか出てないような品評会で1位になってもチャンピオンですから、チャンピオンになることはそこまで難しいことではないんです。
血統書やチャンピオンなどといったことにこだわらず、自分の好きな子を見つけことが子犬選びでは大切です。
出勤をして子犬が死んでいる事はあまりない:
私が勤めてから5年間で先天性の病気で亡くなった猫がいましたが、それ以外では一切死んでしまったことはありませんでした。
数はかなり少ないですが、生き物なので0ではないというのが正直なところです。
ただ、務めていたペットショップは、犬猫の管理はかなり神経質に行っていて、ウンチが緩くなったらすぐ顕微鏡で見て寄生虫が原因なのか、他に原因があるのかということを調べていました。
店内で手に負えなくなった場合は、直ぐに提携の動物病院に連れて行って治療をしていたので、皆元気に戻ってこれていました。
大手のペットショップはそういう知識の蓄積や管理が徹底しているので、犬猫を飼う時にはオススメかもしれません
欠点で値段が下がる:
欠点とは、噛みあわせが受け口だったり、お腹にデベソがあったりすることを言います。
生きる上では問題はありませんが、正常な子よりも病気になってしまうリスク高い場合があり、そのぶん値段が安くなります。
気をつけたほうがいい欠点:
泉門(ペコ):
生まれたばかりの超小型犬(チワワ、ヨーキーなど)の大半は、頭蓋骨の頂点に骨と骨の隙間に穴が開いていて、大きくなると塞がりますが、穴が大きいと大人になった時も塞がらないことがあります。
頭蓋骨で本来守られる脳が守られていないので、押したり衝撃を与えたりすると大変危険欠点です。
デベソ:
シーズーやパグなどの鼻の短い犬の9割ほどがデベソです。
デベソは塞がることはなく、押すと広がってしまうので、絶対に押したりしないようにしましょう。
症状が悪化してしまう場合は手術が必要になってきます。
ただ、手術をすれば治るのでそこまで神経質になることはありません。
デベソの状態を日頃から見てあげて、異変があればすぐに病院に連れていきましょう。
鼠径ヘルニア:
鼠径ヘルニアは内股の付け根あたりにポコっと膨らみのことを言います。
このポコっと膨らんでいる部分は脱腸しており、大きくなると自然に塞がってきますが、中には塞がらない場合もあるので、その場合は手術が必要になってきます。
ただ、去勢手術や避妊手術などと一緒にできるので、一緒にやってしまうのがいいでしょう。
鼠径ヘルニアもそこまで神経質になる必要はありません。
陰睾丸(いんこうがん):
陰睾丸とはオスの子犬はタマが体の中に入っていて、徐々に正常な位置に移動をするのですが、まれに体内にタマがとどまってしまい、正常な位置に降りてこないことがあります。
すぐに病気になるといったことはありませんが、繁殖をさせるには不利な面もあり、他にも精巣腫瘍という病気になるリスクがかなり高くなります。
陰睾丸の場合はそのまま放置せずに手術をしてタマを取り除いてあげる必要があります。
子犬は寄生虫がいる確率が高い:
子犬はただでさえ体力がなく弱いのに、市場から落札されペットショップにたどり着くまでに、かなりの体力を消耗しています。
ペットショップに着いた子犬の2〜3割は下痢をしていることが多く、特に慎重に扱わなければいけません。
生まれた時のブリーダーが粗悪な環境で母犬を飼育している場合、寄生虫が子犬や子猫に付いていることもあります。
代表的な寄生虫は、コクシジウムや線虫、回虫などが挙げられます。
この寄生虫は、ウンチを緩くする原因でもあるので、投薬で長い期間かけて治療をしていきます。
ペットショップで勧められる保険は成約するとマージンが入る:
ペット保険で一番効率がいい勧誘が、何も知らない飼い主に保険を売りつけることです。ペットショップで1件成約する毎にマージンが2,000円程入っていました。
動物病院には保険がなく、全額負担となるので治療費が高い。という魔法のコトバ一つで契約がバンバン決まっていくので楽なものです。
当然、保険は悪いものではないですが、家に帰って熟慮するのも一つの手です。
まとめ:
簡単にまとめると
・生体はペットショップでドル箱
・生体を販売するとインセンティブがある
・犬の値段は大きさ、色、顔の可愛さで決まる
・売れなくなったらトコトン安く売る
どんな業界にも裏があります。ただ、イメージしていることと、事実は大きく異なっていたりします。
以上、ペットショップの店員がお客様には絶対に秘密にしていること教えますでした。
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